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世界で活躍する日本人カーデザイナー
2006.09.28


こんにちは、事務局の吉澤です。

突然ですが、クルマの魅力って何だと思いますか?
エンジンの性能や乗り心地も大事な要素ですが、私が惹かれるのはデザイン。
って、私これまでクルマ買ったことないんですけどね。今乗ってるのも250ccのバイクですし…
しかし将来クルマ買うとしたら、おそらく見た目で決めるかなと思います

個人的な話はこれくらいにして、クルマの第一印象を決定するのは、やはりデザイン。自動車メーカーのカーデザイナーは大変な苦労をされていると思います。

そんなカーデザイナーのなかで、世界を相手に勝負をしている日本人がいるのをご存じですか?
ピニンファリーナ、BMW、アウディ……。
イタリア製スーパーカーやドイツ製高級車を我々と同じ日本人がデザインしているんです!

GM、ポルシェ、ピニンファリーナに在籍した、奥山清行さん。
GM(オペル)、ルノーを経て、現在BMWに在籍する、永島穣二さん。
日産自動車からアウディに移籍した、和田智さん。
オペルに入社し定年まで勤めあげた、児玉英雄さん。

自らの能力だけを武器に世界を相手に勝負している、デザイナー界のトップランナーたちの生の声を聞きたくありませんか?
海外で仕事することの苦労、喜び、そしてデザインに対するこだわり……。気になりますよね

実は、世界で活躍する日本人カーデザイナーたちの仕事ぶりは、10月30日に発売される『自動車ガイドブック 2006-2007・第53巻』の巻頭特集で、詳しくご紹介しています。楽しみにしていてくださいね

『自動車ガイドブック 2006-2007・第53巻』表紙

『自動車ガイドブック 2006-2007・第53巻』巻頭特集ページ

この『自動車ガイドブック』は、1954年に日比谷公園で開催された「第1回全日本自動車ショウ」の出品者カタログとしてスタートし、毎年、つまり53年間刊行され続けているんです。現在ではその発刊年に新車として購入できる国産車を網羅した唯一の年鑑本として好評を博しています。うーん、歴史の重みを感じます

『自動車ガイドブック』は、日本の自動車産業の発展と共に年々厚くなってきました。というのも、第1巻では150台だったカタログ掲載台数も、昨年発売された第52巻では1,000台を超え、しかも各車のスペックが紹介されているからなんです。
読者の方からは、カタログブックとしての機能性と巻頭特集の面白さにご好評をいただいているのですが、制作サイドとしては、作るのがホント大変なんです……
が、歴史ある本の制作に携われることは光栄です。

今年は、東京モーターショーがないので、会場では販売できませんが、10月30日には全国の書店に並びますので、ぜひ手にとってご覧ください。私の給料は上がりませんが、できれば1冊買ってほしいです!

戦後最大規模のショーと“懐メロ”
2006.09.21


こんにちは、事務局の吉澤です

日本の自動車産業と共に歴史を重ねてきた東京モーターショーも来年でいよいよ40回目の開催となります。
初めてのショーから53年。私たちとクルマの関係も随分変わってきました。
今回は原点に立ち返り、1954年に開催された『第1回全日本自動車ショウ』ととっておきの“懐メロ”もご紹介します。

東京モーターショーを語るうえで避けて通ることができないのが、1951年11月6日に発足した「六日会」。
六日会とは、自動車メーカー6社(日産自動車、トヨタ自販、いすゞ自動車、日野ヂーゼル工業、民生デイゼル工業、三菱ふそう)の宣伝担当責任者の集まりでした。6社で6日に発足したというゴロのよさでこの名前がつけられたそうです

六日会は国産車のPRと、モータリゼーションの推進のためには、国際的に通用する自動車ショーの開催が必要だと考えていました。
そんな中、六日会は1953年にバス創業50周年を記念して開催された「自動車産業展示会」の運営を仕切り、それを皮切りに本格的なショーの計画に着手。主催者を構成するために、自動車関係団体を口説きまわったり、それまで主催権を持っていた日刊自動車新聞社から主催権を譲り受けたりして、翌1954年ようやく「第1回全日本自動車ショウ」の開催にこぎつけたのです。
「第1回全日本自動車ショウ」の様子
会の発足から約2年半でショーを創り上げたなんて想像を絶する苦労があっただろうなと頭の下がる思いです。

さて、記念すべき『第1回全日本自動車ショウ』は、1954年(昭和29年)4月20日~29日にかけて日比谷公園で開催されました。
「第1回全日本自動車ショウ」の様子
展示面積は4,389平方メートル。現在東京モーターショーが行われている幕張メッセの約1/10の広さしかありません。そこに267台が展示されたのですが、乗用車の出品はたったの17台。あとは、トラック・オート三輪・オートバイなどが占めていました。
というのも、当時は白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機が「三種の神器」と呼ばれていた時代。クルマは庶民にとっては夢の乗り物だったのです

また、開催場所は日比谷公園ですから展示ブース以外には屋根がない青空ショー。
風が吹けば天幕はバタつき、雨が降れば地面はぬかるむ。そんな悪条件にもかかわらず『第1回全日本自動車ショウ』は54万7000人もの来場者を集め、“戦後最大規模のショー”となったのです


★さて最後まで読んでくれた読者の方だけに、ちょっとしたプレゼントがあります。
これはあまり知られていないのですが、『第1回全日本自動車ショウ』にはテーマソングがあったんです。作詞は「ちいさい秋みつけた」など多数のヒット曲を生み出したしあのサトー・ハチローさん、作曲は多くの歌謡曲を手がけ東京オリンピックの開会式に鳴り響いた『オリンピック・マーチ』も作曲された古關裕而(こせき ゆうじ)さんで、当時の大スター歌手、岡本敦郎さんが歌っています。と言っても私も名前くらいは聞いたことがあるんですが、よくは知らないんです。
録音は、当時のSP盤から落としましたので、少し雑音がありますが、時代を感じさせる素敵な曲なので、ぜひともダウンロードして聴いてみてください!

ダウンロード

全日本自動車ショウの歌
「自動車行進曲(おーともびいるまーち)」

1.潮の香りを山里深く オートモビイル おーともびいる
 森の匂いを波止場の波へ オートモビイル
 昨日かもめの船歌とゞけ オートモビイル おーともびいる
 今日は目白の戀歌のせる オートモビイル
 おお津々浦々を むすぶわだちにはづむ胸

2.丘をめぐりて林をぬける オートモビイル おーともびいる
 やさし葉もれ陽ちらつくボデイ オートモビイル
 知らず知らずに口笛吹けば オートモビイル おーともびいる
 うれし小聲で誰かがあわす オートモビイル
 おお津々浦々に 通うわだちを渡る風

3.こめたまごごろ惜しまぬ努力 オートモビイル おーともびいる
 重ね重ねるたゆまぬ工夫 オートモビイル
 夢と希望と光りと榮え オートモビイル おーともびいる
 常に國産前へと進む オートモビイル
 おお津々浦々に 消えぬわだちを照らす月

現在の進捗状況は?
2006.09.14


こんにちは、事務局の吉澤です

月日が経つのは早いもので、「東京モーターショーブログ」も今月で6ヶ月目に突入。この調子だと『第40回東京モーターショー2007』が開催される、来年の10月27日もアッという間にやってきそうです。

初めての記者発表が行われたのが3月16日
それから、4月のニューヨーク、続いて7月には、フランクフルトロンドンでも記者発表を行いました。

今回は『第40回東京モーターショー2007』開催までの流れを岡室長に語ってもらいます。

こんにちは、岡です。

『第40回東京モーターショー2007』に限らず、東京モーターショーは基本的に2年単位で準備を進めています。
まずは次回のショーのコンセプトについて考えます。これは前回のショーが終わった直後に開始します。
2年後の時代背景や車社会についての予想を立てながら進めていかなければならないので、なかなか難しいんですよ

コンセプトが決まると、テーマやメインビジュアルを作成します。
こちらについては前回のエントリーで詳しくご紹介しているようですね。
通常ですと、メインビジュアルが出来上がるのはショーの約7~8ヶ月前。今回は総合ショーになるということもあって今年の3月に異例の早さで完成させました。

次はレギュレーションの見直しです。メーカーさんが展示する際の規程ですね。毎回、規制緩和したり、あるいは新たな規制を加えたり、細かな見直しをしています。レギュレーションが固まったら、出品申込を開始します。

ですので、ちょうど今は出品の申し込みを受け付けている最中。10月中には受付を締め切ります。
そして12月中には出品面積の大きな出品者の小間割り(出品ブースの面積とレイアウト)を決定します。それから、部品部門など出品面積の比較的小さな出品者の小間割が来年の3月には決まります。

「少し早すぎるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、2年前から準備するのは私たちだけではありません。出品を計画しているメーカーも同様。出品車両が実際に形になるのは1年くらい前なのでしょうが、東京モーターショーと同様に、そのコンセプトも含めて考えると2年でも足りないくらいだと思います。出品車両に加えて、展示ブースの設計もありますからね。異国での出品となる外国のメーカーではなおさらだと思います。正確な展示面積と場所をお伝えする時期は早ければ早いほどいいんですよ。

これまでのお話でお分かりのとおり、常に前倒しで仕事を進めていかないと、いろいろな方にご迷惑がかかってしまいます。私たちの仕事は、やりがいがある一方でストレスも感じてしまうものなんです

私の役割は、出品者はもとより、来場者や、協力していただけるスポンサーも含めて、『第40回東京モーターショー2007』に関わるすべての方の満足度が向上するように、あらゆる面で総合的に見て、一番ベストな判断を下すことだと思っています。
……ちょっと格好いいことを言ってしまいましたが、本当はスタッフがしっかりしてるから、私は管理やアドバイスをするだけでいいんですけど(笑)。ね、吉澤君!


……あっ はい!
『第40回東京モーターショー2007』開催まで、あと1年ちょっと。ショーに関わるすべての方に満足してもらえるよう、そして岡室長の期待に添えるよう、一生懸命頑張ります!

ポスターデザインに秘められたこだわり
2006.09.07


こんにちは、事務局の吉澤です。 

今回は前回のエントリーでご紹介したとおり、「第40回東京モーターショー 2007」のポスターを制作した株式会社 電通のクリエーティブ・ディレクター鈴木さん、アートディレクター喜多さん、田中さん、コピーライター江口さん(写真左順)にお話を伺います。 


それではインタビューを開始します。 

お忙しいなか、お集まりいただきましてありがとうございます! 「第40回東京モーターショー 2007」のポスターは、すごくポップで親しみのあるデザインで個人的にも大好きなんですが、この発想の源はどこから来ているんでしょうか? 

「第40回東京モーターショー 2007」のポスター

「来年は総合ショーになるということもあり、子供や女性、老若男女が来場するきっかけになるデザインとは何か、ということを最初に話し合いましたね。 
そのうちに、理工系ノリじゃなくて、どちらかというと美術・文化系ノリで、理屈っぽくなく、パッと見て楽しくファンタジックなものにしたいといった感じで、少しずつ方向性が固まっていきました」(鈴木) 

「女性といえば、ガールフレンドを誘っても断られないポスターにしたいという話も出てきました 
車の持つメカっぽいイメージはあまり女性に受けがよくないし、テレビではコンパニオンばかりが注目されている。女性に『これだったら行ってもいいかも』と思わせる力を持ったポスターにするということも目標の1つでした」(江口) 

それにしても、箱でいろいろな種類の車を表現するなんて、随分思い切りましたね 

「最初にラフスケッチを見せてもらった時、おもしろいとは思ったんですが、アイデア自体はシンプルじゃないですか。
こういうシンプルなものって、下手なアートディレクターが手がけると、とんでもなく幼稚なものになってしまう可能性もあるんです
とにかくこだわって作らないと、ただの箱を置いただけ、みたいな作品になっちゃう。 
でも、私は喜多と田中の作品に対するこだわり具合を知っていましたから、すぐにOK出しましたよ」(鈴木) 

「ありがとうございます 
車をカラフルな箱にした理由は、来年から総合ショーになることへの期待感、そして乗用車・商用車・二輪車のすべての車両を1つの記号で表現したかったからです。 
箱形の車はちょうどオモチャのブロックのような形ですから、これを組み合わせてTOKYO MOTOR SHOWのロゴも作成しました」(喜多) 

「ブロックの大小を組み合わせているので、英語だけでなく日本語のロゴも作れますよ 。
ただ、色の組み合わせには苦労しました。黄色が結構ネックで、端に配置すると読みにくくなってしまうんです 
ロゴをよく見てもらうと分かるんですが、ちょっと影をつけています。これは立体的に見えるというだけでなく、ロゴを読みやすくするという効果もあるんですよ」(田中) 

なるほど、細かいところまで考えられているんですね。 
では一番苦労されたのはどんなところでしょうか? 

「私はキャッチコピーを英語にするのにすごく苦労しました。日本人が見ても分かり、なおかつネイティブが見てもおかしく思われない英語にしなければなりません。この2つの基準を満たすために何回も考え直しましたよ」(江口) 


(ニューヨーク・オートショーで報道陣に配布されたプレスキット)

「私は背景の場所選びですね。当初は模型にするとか、CGのワイヤーフレームにするとか、様々な意見がありました。 
その中から実写を選んだ理由は、子供っぽくなりすぎないようにするため。主役の車がブロックのようなイメージですから、背景を実写にしてバランスを取ることにしました。 
撮影場所を選定するためにコーディネーターと場所探しに出たのですが、いいと思った場所も、路上駐車がしてあったり、道路や電柱が汚かったりと、なかなか条件に合う所はありませんでした。 
さんざん探しまわって決定したのは、灯台もと暗し、とでもいいましょうか、東京モーターショーの開催地でもある幕張でした」(喜多) 

皆さんの苦労の結晶が、「第40回東京モーターショー 2007」のポスターなんですね 

「いえいえ、事務局の担当者がデザインに興味のある人ばかりでしたので楽しく仕事できましたよ」(喜多) 

本日は、貴重なお話をありがとうございました。
さすがプロ! 細かい部分にも気を使ってデザインしているんですね。
デザインチームの皆さんの作品に対する、並々ならぬこだわりは非常に刺激になりました。
私も「第40回東京モーターショー 2007」をポスターに負けない楽しいイベントにすべく、気合いを入れ直して頑張ります!

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モデレータ紹介
東京モーターショー事務局の吉澤です!10月の第40回東京モーターショー開幕に向け、事務局も準備にフル回転! ブログではフラメンコのような“熱い”情報をお届けしていきます。お楽しみに!
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