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プレスセンター細腕繁盛記その1
2006.10.26


こんにちは、事務局の吉澤です

5大モーターショーの1つ、「東京モーターショー」は国内のみならず、海外からも高い注目を集め、世界中から大勢のプレス(報道関係者)が来場します。
皆さんがテレビや雑誌で目にする「東京モーターショー」のニュースの多くがプレスセンターを経由して発信されていることはご存じでしょうか?
今回はプレスしか入場できない、プレスデー、そしてプレスセンターの様子をご紹介します。
世界中のプレスを相手にするプレスルームを運営しているスタッフは、全て女性なんです。というのも、プレスセンターを運営してこられた株式会社ユニカルインターナショナルの社員は全員女性。今回は女性だけで奮闘されてきた、プレスルーム運営秘話を株式会社ユニカルインターナショナル山田祥恵さん、高島淑乃さんに語っていただきます

山田さん、高島さん 

初めまして!

私たちは1997年の「第32回東京モーターショー」からプレスセンターの運営に参加しています。
早いもので、もう10年近くご一緒させてもらっています。
毎回のことながら圧倒されるのは参加されるプレスの多さ。
プレスデーの2日間だけで1万人を超える方が来場されます
私たちの仕事はプレスの方が、少しでも快適に、効率よく「東京モーターショー」のニュースを発信できるようにお手伝いすること。

まずは「東京モーターショー」開催前の準備期間からお話しましょう。
私たちが動き出すのは4月くらいから。主催者からいただいたショーの事前情報をまとめて、6月の終わりから7月初めにかけて、前回ショーで登録されているプレスに送ります。この中にはプレスカードという身分証明書を発行するための申込書も入っています。申し込みの受付が8月から9月頭まで。
ここからが大変。先ほども申し上げたとおり、「東京モーターショー」には世界中からプレスが参加します。すべての申込者に対して、身分の確認をしなくてはなりません。
時には海外から見本誌や、これまで書いた記事の実績を送ってもらうこともあるんです

海外プレスとのやり取りは基本的には英語を使うのですが、韓国や中国では、英語より日本語が得意なかたもいらっしゃいます。
身分の確認などのやり取りは非常にスムーズに行えるのですが、プレスカードの申込書を日本のプレス用のものを送って欲しいと言われたときは困ってしまいました。いくら日本語が得意とはいえ、海外のプレスですから

プレスであることの確認が取れたらプレスカードの発行。これがまた大仕事! 1枚ずつ確認しながら出力しなければなりません。
世界中から参加されるので、きちんと確認しないと思わぬトラブルが発生することがあるんです。例えば、ものすごく長い名前の人は1行で収まらない。イニシャルにするのか、それとも省略して1行にしてしまうのか、なんてことも対応しなければならないんです
こうして出来上がったプレスカードは、8月中旬から10月上旬にかけて順次発送していきます。
そしてショーを迎えるわけです。

半年以上の準備期間をかけてショーに望むわけですが、本番はもっと大変

次回は会期中のお話をお届けします。

大きく変わった光の演出
2006.10.19


こんにちは、事務局の吉澤です

先日、部屋の蛍光灯が切れたので新しいものにつけ替えました。いつもは白っぽい光の昼光色を使っていたのですが、あまり確かめなかったので電球色を買っていました
面白いもので、光の色が変わると部屋の雰囲気って、すごく変わるんですね。しばらくは温もり感のある光を楽しもうと思います。

光は「東京モーターショー」にとっても非常に大切な要素の一つ。昨年の「第39回東京モーターショー」から光に関する大きな変化があったことをご存じでしょうか?

従来のショーではブースごとにやぐらを組み、そこに照明を取り付けていました。十分な光量は得られるのですが、問題は柱。

通常施工方法

出品者は限られたスペースを有効に使いたい。我々主催者にとっては障害物が少なければ少ないほど来場者も移動しやすく、安全性も向上します。
両者のメリットを同時に満たしてくれるのが「天井吊り照明」だったのです

天井吊り施工

天井の低い展示会場が多い海外では天井吊り照明は一般的ですが、天井の高い幕張メッセでは吊り下げるワイヤーが長くなり、地震が起こった場合、吊り下げた天井が大きく揺れるなどの可能性があります。しかも車両メーカー出品者が軒並み吊下げ天井を採用した場合、膨大な面積の天井が吊り下げられることになり、展示会場に及ぼす影響も計り知れないといった、安全性の観点から、これまで採用してきませんでした。しかも東京モーターショーは施工から撤去まで約30日間と長期にわたるためリスクも高くなるのです。

しかし、出品者からの強い要望もあり、我々主催者は天井吊り照明に挑戦することにしました

天井吊り施工

実現するには、地震だけでなく風への対策、施工に必要なインフラの確認、2階からの視界など、様々な課題をクリアし東京モーターショーのような大規模な展示会でも安全に取り入れることのできるルール作りが必要でした。幸いこれまで比較的短期の展示会やイベント、コンサート等では、吊下げ照明は多数採用されていたので、これらの事例を基に2004年の「第38回東京モーターショー」開催時に、主催者特別企画のブースで試験的に導入し、安全性や視認性などをしっかりと検証し、晴れて去年の「第39回東京モーターショー」で本格的に導入したのです。
しかし、導入に際してはいろいろと苦労もあったようです。ここでモーターショー室の先輩2人に聞いてみたいと思います。

こんにちは、一ノ瀬です
各社が採用することとなり、チェーンモーター(照明トラスを吊り上げる機材)、高所作業車(天井工事に欠かせない)等の需要が一気に増えたため、それぞれ機材確保が大変だったとか。幕張メッセの天井が非常に高い(30m以上の場所も…)ことも影響したようです。

なるほど、なるほど

高木です
搬入に関して言うと、最初に各社の天井を吊り下げなければ、その下の展示物を施工することはできません。この部分が滞ると、他の出品者も展示場に入ることすらできなくなる事態に…。そのため詳細な搬入計画を立て、出品者の協力のもと、運営管理を行うことで、スケジュール通りに完了! その後の搬入もスムーズに行うことができました。

また、施工に関して言いますと、中には1,000平方メートルを超えるサイズの天井を吊り下げる出品者も数社あり、展示場自体にかかる荷重の分散措置は、会場担当者も非常に気を使って事前に調整をしてくれました。

天井吊り施工

あの会場がすっきりと見やすい天上吊り照明の導入には、いろんな方のご協力と努力があったわけですね。

私が驚いたのは、ショーの期間中に震度5弱の地震があったのですが、天井吊り照明が揺れるなどの影響がほとんどなかったこと。苦労が実り安全に運営されていることが証明された瞬間でした

出品者や来場者からも、ショーのクオリティが高くなったといった好意的な意見をいただき、非常にうれしく感じました。苦労はしましたが、「やってよかった」と思える苦労でしたね。

幕張メッセと東京モーターショー その2
2006.10.12


こんにちは、事務局の吉澤です

幕張メッセと東京モーターショー その1』では、東京モーターショーと幕張メッセが歩んできた歴史、そして協力関係についてご紹介しました。
今回は、効率のよい東京モーターショーの楽しみ方や、幕張メッセこぼれ話を、株式会社幕張メッセの押田さんに語ってもらいます

幕張メッセの写真

こんにちは、押田です。

効率の良い東京モーターショーの楽しみ方といっても、見方によって全然違うんですよね。2時間で回れちゃう人もいれば、1日中見ても足りないという人もいる。だから、私が言えるのはゆったりと見ることのできる時間をお伝えすることくらいなんです

何といっても平日に来場してもらうのが一番。そして、平日・週末共に比較的ゆったりしてくるのは夕方からですね。
朝から昼すぎまで見るよりは、昼すぎから夕方まで見るほうがいいです。当然着いたときは混んでますけど、見ているうちに徐々に人も減ってきて、比較的見やすい状態になりますよ。
平日の夕方が狙い目だと思います
昨年開催された『第39回東京モーターショー』では、入場券を持たずに直接会場に行っても平日の15時以降は前売入場券と同じ入場料となる、アフタヌーン券を利用される方も多かったですね。

押田さん

さて、幕張メッセ最大のイベントが東京モーターショーであることは前回お話ししました。
では最小のイベントは何だと思いますか?
実は幕張メッセは、個人にも貸し出しが可能なんです。さすがに国際展示場やイベントホールを個人に貸し出したことはありませんが、比較的小さな部屋がある国際会議場は何度か貸し出したことがあります。
結婚式の二次会に国際会議場にあるレストランを使ったり、国際会議室で結婚式の披露宴を行ったこともありますよ。どちらも関係者なんですけどね・・・。
皆さんも、もしよかったらご利用になってはどうですか? お支払い方法等はご相談に乗りますよ(笑)
(ちなみに、私(吉澤)の所属するモーターショー室の先輩が昨年結婚したのですが、式場選びの際、仕事上思い入れの深い幕張メッセで式を挙げる案を奥さんに相談したところ、即却下されたそうです、、、押田さんごめんなさい!

幕張メッセはいろいろなメディアの撮影場所としても利用されています。
この場所で、あのドラマの撮影があったんですよ! と例を出してご紹介したいところなんですが、毎週のように何らかの撮影が行われているので、一社員としては把握しきれていないのが現状なんです……。
その代わりと言ってはナンですが、とっておきのネタをご紹介します。『踊る大捜査線』の劇場版第1作で、青島刑事が言った、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!」という名ゼリフがありましたよね。
事件が起こっていないほうの会議室、これが実は幕張メッセの会議室なんです(笑)

今回は幕張メッセのこぼれ話のほうが多くなってしまいしたが、幕張メッセはあくまでハードウェア。お客様に注目される必要は無いと思っています。やはりソフトウェアである『第40回東京モーターショー2007』をしっかりと楽しんで欲しいですね

押田さん、ありがとうございました!

幕張メッセと東京モーターショー その1
2006.10.05


こんにちは、事務局の吉澤です

今週から10月に入りましたね! ここのところ天気がぐずついていてまだ秋の良さを感じることはできてませんが、何をするにも良い季節です。「芸術の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」…、皆さんはどんな秋を堪能するのでしょうか?

さて、今回は1989年の「第28回東京モーターショー」からお世話になっている幕張メッセと東京モーターショーの関係について、株式会社幕張メッセの押田さんにお話をうかがいます。
イベントのプロは東京モーターショーをどのように捉えているのでしょうか?
では、押田さん、よろしくお願いします!


初めまして、押田です。

幕張メッセは東京モーターショーといっしょに歴史を重ねてきました。
こけら落としイベントとしてお付き合いが始まり、はや17年。色んなことがありました。

毎回驚いてしまうのは入場者の数ですね。これはもう幕張メッセで開催するイベントのなかでダントツです
東京モーターショー以外ですと、2002年に恐竜博というイベントがありました。100万人強という来場者を集めた、非常に集客力のあるイベントなのですが、開催日は67日。
2週間ほどで150万人も集客するイベントなんて、東京モーターショー以外にはありません。
押田さん

まだ私が入社する前の話なんですが、201万8500人を集客した1991年の「第29回東京モーターショー」のときは、あまりの人の多さに、ショーを担当していない社員は「東京モーターショーのときは、会社を休みにしてほしい」と漏らしたという笑い話もあったほどです

そして、毎回感心するのは来場者への安全確保が徹底していること。
つまり、ブース造りに関する出品者へのお願いが徹底しているんです。
通常のイベントだと出品者のブースに入る際に段差があるのはよくあること。でも東京モーターショーは、それが一切ない。
共通通路からブースに入るにはスロープを必ずつけなければならない。そのスロープについても傾斜角度などの規制がある。出品者はこれを全てクリアしなければならないんです。

何といっても来場者が多いですから、ちょっとの段差でもつまづく可能性がある。人が多いだけに、1人が転ぶだけでは済まなくなるかもしれません。だからこそ、段差を取り除くという方策が非常に徹底している
これは、よりよくお客さんに見てもらうための1つの方策であって、ここまで徹底しているショーは、見たことがありません。

これは私見なんですが、1997年に開催された「第32回東京モーターショー」のときに本格オープンした北ホールは、東京モーターショーが無かったら、できていなかったかもしれません。
建設の計画はあったのですが、この頃はバブルが弾けた後で景気も悪かった。それでも建設にゴーサインが出たのは、東京モーターショーという巨大イベントが少なからず影響していたと思います。
幕張メッセ 北ホール

幕張メッセと関係が深いイベントだけに、『第40回東京モーターショー2007』は私たちも頑張って成功させたいですね

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モデレータ紹介
東京モーターショー事務局の吉澤です!10月の第40回東京モーターショー開幕に向け、事務局も準備にフル回転! ブログではフラメンコのような“熱い”情報をお届けしていきます。お楽しみに!
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