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戦後最大規模のショーと“懐メロ”
2006.09.21


こんにちは、事務局の吉澤です

日本の自動車産業と共に歴史を重ねてきた東京モーターショーも来年でいよいよ40回目の開催となります。
初めてのショーから53年。私たちとクルマの関係も随分変わってきました。
今回は原点に立ち返り、1954年に開催された『第1回全日本自動車ショウ』ととっておきの“懐メロ”もご紹介します。

東京モーターショーを語るうえで避けて通ることができないのが、1951年11月6日に発足した「六日会」。
六日会とは、自動車メーカー6社(日産自動車、トヨタ自販、いすゞ自動車、日野ヂーゼル工業、民生デイゼル工業、三菱ふそう)の宣伝担当責任者の集まりでした。6社で6日に発足したというゴロのよさでこの名前がつけられたそうです

六日会は国産車のPRと、モータリゼーションの推進のためには、国際的に通用する自動車ショーの開催が必要だと考えていました。
そんな中、六日会は1953年にバス創業50周年を記念して開催された「自動車産業展示会」の運営を仕切り、それを皮切りに本格的なショーの計画に着手。主催者を構成するために、自動車関係団体を口説きまわったり、それまで主催権を持っていた日刊自動車新聞社から主催権を譲り受けたりして、翌1954年ようやく「第1回全日本自動車ショウ」の開催にこぎつけたのです。
「第1回全日本自動車ショウ」の様子
会の発足から約2年半でショーを創り上げたなんて想像を絶する苦労があっただろうなと頭の下がる思いです。

さて、記念すべき『第1回全日本自動車ショウ』は、1954年(昭和29年)4月20日~29日にかけて日比谷公園で開催されました。
「第1回全日本自動車ショウ」の様子
展示面積は4,389平方メートル。現在東京モーターショーが行われている幕張メッセの約1/10の広さしかありません。そこに267台が展示されたのですが、乗用車の出品はたったの17台。あとは、トラック・オート三輪・オートバイなどが占めていました。
というのも、当時は白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機が「三種の神器」と呼ばれていた時代。クルマは庶民にとっては夢の乗り物だったのです

また、開催場所は日比谷公園ですから展示ブース以外には屋根がない青空ショー。
風が吹けば天幕はバタつき、雨が降れば地面はぬかるむ。そんな悪条件にもかかわらず『第1回全日本自動車ショウ』は54万7000人もの来場者を集め、“戦後最大規模のショー”となったのです


★さて最後まで読んでくれた読者の方だけに、ちょっとしたプレゼントがあります。
これはあまり知られていないのですが、『第1回全日本自動車ショウ』にはテーマソングがあったんです。作詞は「ちいさい秋みつけた」など多数のヒット曲を生み出したしあのサトー・ハチローさん、作曲は多くの歌謡曲を手がけ東京オリンピックの開会式に鳴り響いた『オリンピック・マーチ』も作曲された古關裕而(こせき ゆうじ)さんで、当時の大スター歌手、岡本敦郎さんが歌っています。と言っても私も名前くらいは聞いたことがあるんですが、よくは知らないんです。
録音は、当時のSP盤から落としましたので、少し雑音がありますが、時代を感じさせる素敵な曲なので、ぜひともダウンロードして聴いてみてください!

ダウンロード

全日本自動車ショウの歌
「自動車行進曲(おーともびいるまーち)」

1.潮の香りを山里深く オートモビイル おーともびいる
 森の匂いを波止場の波へ オートモビイル
 昨日かもめの船歌とゞけ オートモビイル おーともびいる
 今日は目白の戀歌のせる オートモビイル
 おお津々浦々を むすぶわだちにはづむ胸

2.丘をめぐりて林をぬける オートモビイル おーともびいる
 やさし葉もれ陽ちらつくボデイ オートモビイル
 知らず知らずに口笛吹けば オートモビイル おーともびいる
 うれし小聲で誰かがあわす オートモビイル
 おお津々浦々に 通うわだちを渡る風

3.こめたまごごろ惜しまぬ努力 オートモビイル おーともびいる
 重ね重ねるたゆまぬ工夫 オートモビイル
 夢と希望と光りと榮え オートモビイル おーともびいる
 常に國産前へと進む オートモビイル
 おお津々浦々に 消えぬわだちを照らす月

コメント

               

はじめまして。過去数回、幕張での東京モーターショーにお邪魔したことがありますが、あの華やかな雰囲気が、リピーターを引き寄せるんですよね。来年が待ち遠しいところですが、リニューアルした東京モーターショー、はやく拝見したいものです!

               

MSRさん、コメント有難うございます。

従来もそうでしたが、第40回ショーに初めてご来場頂いた方にも、また毎回ご来場頂いている方にも「来て良かった」と思って頂けるような雰囲気作りをするべく、様々な企画を検討中です。
今後も東京モーターショーへのご声援、宜しくお願い致します!

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モデレータ紹介
東京モーターショー事務局の吉澤です!10月の第40回東京モーターショー開幕に向け、事務局も準備にフル回転! ブログではフラメンコのような“熱い”情報をお届けしていきます。お楽しみに!
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