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バージョンアップを続ける出品規程
2007.03.08


こんにちは、吉澤です。

私の趣味はフラメンコ。いつも仕事が終わってから練習しているので、なかなかテレビを見る時間が取れないんです。
まだDVDレコーダーを持っていないので、パソコンにTVチューナーをつけて録画してます。電気代がもったいないと思いながらも、一日中電源は入れたまま。
だから、たまにOSのバージョンアップによって自動で再起動したりして、見たかった番組が録画されてないときもあるんです…
バージョンアップはセキュリティや操作性を向上させるものだから、仕方ないと思いつつも、見れなかった番組のことを考えると、かなりくやしい気持ちになります。

実は、「東京モーターショー」の出品規程も、パソコンのOSと同じように、毎年バージョンアップしていることをご存じですか? と言いますか、そもそも出品規程って何って言われる方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね

簡潔に言うと、出品規程というのは東京モーターショーに出品いただく際の色々な決まりごと(展示ブースの施工や演出方法など…)をまとめたものです。
東京モーターショーでは、会期が終了したあと、我々事務局を中心に会場内で生じた問題点などの取りまとめを行うんです。取りまとめの基となるのは、出品各社の運営担当者で組織される、東京モーターショーの委員会メンバーが会期中に日替わりで行う会場視察
「来場者の休憩場所は十分か」や「各社の展示や運営に問題はないか」など、ショーの運営全般についてチェックを行い、レポートを提出してもらいます。
これらレポートの他にも、来場者の皆さんからいただいた貴重なご意見や評価を参考にしながら、改善が必要な事項、継続して実施すべき内容などを整理していきます。そして、出品規程についても、規制の緩和や新たな規程の追加などについて検討をするわけです。

そもそもなぜこんな規程が必要かというと、安全で快適な環境を実現することが私たちの大きな使命の1つだからなんです
また、展示を行う出品者にとっても、展示や運営がしやすく、そして効率を高めるような工夫が必要だからなんですね。そして世界5大ショーの一つとして、国際的にハイレベルな展示の模範となる事も求められますので、その点も配慮しています。

規程の改善に至った過去の事例の一つに、展示ブース内へのスロープの導入があります。
展示ブースのフロアには、床下に電気配線やターンテーブルなどの機材や、ブース自体の基礎が格納されるために、以前は展示ホールの床面から15cmくらい高くなっていました。

(展示ブースと展示ホール床面の段差)

つまり、展示ホールの床とブース床面には段差が生じているわけですが、段差をそのまま残してしまうと、来場者がつまずいてしまったり、車いすを利用されている方の障害になってしまうんですね。
そこで、出品者の方に、バリアフリーの視点でブース設計をしていただくよう、スロープの導入について規程を通してお願いしているわけなんです。

あと、これも以前実際にあった出来事なんですが、ご来場のお客様で展示ブース内の照明機器に触れてしまい、やけどをしてしまった方がいらっしゃいました。
この時は現場近くにあったカフェのスタッフから、「やけどをされたお客様に氷を提供しました」との報告があり、この件が判明したんです。
実際に現場で状況を確認したところ、やけどの理由は、照明自体が来場者の手が届く位置に設置されていたこと。そして、照明の発熱部が露出していたことが原因でした
この反省を生かして、その後の規程には「照明機器等の発熱によるやけどの防止措置を講じること」という項目が追加されたんですね。

もちろん、「東京モーターショー」の会場には救護所も設置されています。
お客様に応急手当などを行い、我々は救護所の利用記録から、施設物や展示ブースに関連した報告がないかを常に確認しています。
これは、現場で発生した問題にできるだけ早く対処するためなんです。

それ以外にも安全で快適な会場にするために、先ほどのカフェのスタッフのように、ショー運営に携わる出品者や関係者の皆さんにご協力いただくこともよくあります。
規程で定められているわけではありませんが、会場が混雑した場合には、ブースのスタッフや場内警備員が協力して動線を確保したり、一方通行を実施したり、それぞれ状況に合わせて対応することもとても重要です。
「東京モーターショー」に参加するすべてのスタッフが、来場してくださった方に安全で快適にショーを楽しんでほしいと願っているからこそ、円滑に運営され、これまで大きな事故もなく開催できたんだと思っています
「第40回東京モーターショー2007」も皆さんに“安全で快適な会場”をご提供できるように頑張っていきます!

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モデレータ紹介
東京モーターショー事務局の吉澤です!10月の第40回東京モーターショー開幕に向け、事務局も準備にフル回転! ブログではフラメンコのような“熱い”情報をお届けしていきます。お楽しみに!
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